日本ではまだまだマイナーな食材である菊芋ですが、血糖値対策に良いと言われ注目されています。

 

食材としてよりも血糖値対策の健康食品として栽培されることが多い菊芋ですが、どうして血糖値対策に良いと言われているのか詳しくご紹介しましょう。

イヌリンの豊富なインスリン

菊芋には天然のインシュリンとも呼ばれているイヌリンが豊富に含まれています。じゃが芋やさつま芋と同じ芋類ですが、菊芋にはでんぷんはあまり含まれず水溶性食物繊維のイヌリンが主成分となっています。

 

厳しい環境下でも生命力旺盛に成長する菊芋を支えているのが根っこの部分に豊富に含まれているイヌリンで、どの植物よりもイヌリンを豊富に含んでいるのが菊芋なのです。

 

イヌリンは菊芋などのキク科の植物によって作られる多糖類の一種です。糖質の最小単位である単糖がたくさん結合したものが多糖類で、つまりイヌリンは砂糖や果糖、でんぷんなどと同じ糖類の仲間になります。

 

しかし人間の体内には、イヌリンを分解する酵素がありません。これが他の糖類と大きく違う点です。ですから、イヌリンを含む食材を食べてもほとんど吸収されないで身体の外に排出されていきます。

食物繊維が豊富で血糖値上昇を抑制

このような特徴があるのでイヌリンは水溶性食物繊維として分類されています。また腸内で発酵分解されるとフラクトオリゴ糖になり、腸内細菌のエサとなります。

 

腸内で吸収されず身体の外に排出されるイヌリンがどうして血糖値対策に役立つのかと言えば、イヌリンは水分を吸収するとゲル状になるからです。

 

ゲル状になったイヌリンが一緒に摂取した糖質が吸収されるのを抑制するので、血糖値が急上昇するのを抑えることができるのです。

血糖値の仕組み

血糖値とは血液中に含まれるブドウ糖の濃度を数値化したものです。ごはんやパン、めん類やイモ類などの炭水化物や甘いお菓子などの糖分にブドウ糖が含まれています。

 

空腹時には血糖値が一時的に低下して食後は高くなります。食後の30分から1時間が血糖値のピークとなります。誰でも食後は血糖値が上昇するのですが、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンによって下げられます。

 

インスリンは主に炭水化物の代謝に関わるホルモンで、血糖値を一定に保とうと常に働いてくれています。
血糖値が高い状態が長く続けばすい臓ではインスリンを出そうと働き続けます。
しかしやがてその作用が乱れ始め血糖値が正しくコントロールできなくなってしまうのですが、これが糖尿病です。

 

血液中にブドウ糖があふれた状態のことを高血糖と呼び、この状態が長く続けば糖尿病になるリスクも上がります。

 

甘いお菓子やジュースを多く摂ったり脂肪や糖分の多い食事を続けていると高血糖になり、これが長く続くと糖尿病になる可能性も高くなるというわけです。

 

肥満も高血糖や糖尿病のリスクを上げるのですが、同時に高血糖は肥満を招きやすくします。高血糖で肥満になれば肥満によってインスリンの働きが悪くなり、さらに高血糖の状態を作るという悪循環になってしまうのです。

 

こうならないためには血糖値対策が不可欠です。食事の管理や運動が必要で、糖尿病になれば治療薬を服用しなければいけなくなります。

イヌリンは腸のぜん動運動にも

食後の血糖値が急上昇するのを抑えるためには糖質や脂質を控えた食事メニューを心がけることが何よりも大切ですが、食材選びも大切です。

菊芋のようにイヌリンたっぷりの食材をメニューに入れればゲル状になったイヌリンが糖質の吸収を抑えてくれるのですから、効率よく血糖値対策ができます。

 

ゲル状のイヌリンは腸内をゆっくりと移動するので、腸の蠕動運動を促してくれお通じも良くしてくれます。
また、イヌリンが腸内で分解されるとフラクトオリゴ糖になり、善玉菌のエサとして働いてくれるのも大きなメリットです。

 

血糖値が急激に上がるのを防ぐと同時に、腸内環境を整えてお通じを改善してくれるのでダイエットや美容のためにも積極的に摂りたい成分です。

菊芋のイヌリンの魅力

植物の中で最もイヌリンを多く含んでいるのが菊芋なので、血糖値が高めの人には見逃せない食材です。
イモ類なのでカロリーを気にする人もいるかも知れませんが、先ほども紹介したように菊芋の主成分はイヌリンです。

人間の体内では消化されないイヌリンが主成分ででんぷんをあまり含んでいない菊芋は、じゃが芋の半分以下のカロリーしかありません。

ですから、カロリーを心配しないで食べることができます。

 

また菊芋は不足しがちなミネラル分もバランスよく含んでいるのですが、特にカリウムがたくさん含まれているという特徴もあります。

 

高血圧症も糖尿病と並んで中高年に多い疾患で、食生活や肥満、ストレスなどが関わっています。糖尿病と同様に毎日の食事が大きく関わっている高血圧症は、特に塩分の摂り過ぎが影響しています。

 

カリウムにはナトリウムつまり塩分を排泄する働きがあり、高血圧対策でも塩分を控えると同時にカリウムをしっかり摂ることが推奨されています。カリウムも多く含んでいる菊芋は血圧が高めの人にもおすすめです。

 

糖質の吸収を抑制する働きがあるイヌリンを豊富に含む菊芋は、血糖値対策に最適です。
菊芋は他に高血圧対策に欠かせないカリウムも多く含んでいて、さらにカロリーは低いというまさに健康食材です。